ドイツ入門書
秋になると大勢の人がとても楽しみにしている飲み物があります。それはフェダーヴァイサー(Federweißer)」です。フェダーヴァイサーとはドイツ語で白い羽という意味です。ワインになる前の発酵を始めたばかりのぶどう果汁には、酵母がたくさん含まれていて、それが白い羽のような色合いをしていることから名付けられました。
発酵中の“ぶどう発泡酒(Traubenmost)”で、3種ある“ノイアー・ヴァイン(Neuer Wein)”の白のもの。白ぶどうの品種を圧搾したぶどう果実のしぼり汁を発酵させている途中の状態で販売する。これはまだワインになる手前のもの。ドイツではムスト(Most モスト)と呼ばれる段階にある。定義上、Traubenmost(ブドウ発泡酒)から完全発酵されワインとなったものまですべての発酵段階のものが含まれる。(ワインは酵母を除いている。)酵母が残ったままでなので、これがフェーダーヴァイサー『白い羽』という名前の元になっている。
ブドウのレモネード(英国)やスウィート・スパークリングワインよりも炭酸が多く、よりさわやかな味わい。一般に香ばしい食べ物とあわせて食される。フェーダーヴァイサーとの伝統的な組み合わせはツビーベルクーヘン(玉ねぎケーキ)。プフェルツァー・ザウマーゲン(Pfälzer Saumagen、ブタの胃袋にカット肉・挽肉・ジャガイモ等の具を詰めて湯煎したもので、スライスして供される)や、クリ(栗)もよく使われる。
現地だけでのお楽しみ
例年、出回るのは9月上旬~10月下旬ぐらいがシーズンとなっています。スーパーマーケットだと1ℓでだいたい2~3€位とお値段も安い!ワインと比較するとアルコール度数も低く、ワインが苦手な人でもとても飲みやすいのが特徴です。スーパーマーケットで入手することもできますし、屋外マーケットで楽しむのがまたイイのです。ボトル入りのものは、まだ発酵途中の為コルクを入れて密閉することができないので、ふたの部分にぽつぽつと穴が空いていたり、キャップが閉まっていなかったりしますのでボトルを横にしないように持ち運ぶ際には注意が必要です。
日本でも飲めないの?
残念ながら、フェーダーヴァイサーは発酵途中のため輸出ができません。瓶を密閉したしまうと爆発してしまうかもしれないのです。ですので当然日本に輸入することができません。飲んでみたいのに!と思いましたが、秋にドイツに行くしかないようですね。
それでもあきらめきれない!という方は日本のワイナリーにお問合せしてみるともしかしたら見学の際に試飲などで試すことができるかもしれないですね。※今のところ、このワイナリーさんなら!という情報は持っていませんのでもし情報を仕入れたらお伝えします。