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ビールだけじゃないドイツの飲み物!コーヒー編

ビールだけじゃないドイツの飲み物!コーヒー編

ドイツは実はコーヒー大国です

ドイツといえば?と言われて一番最初に浮かぶのがビールという方が多いと思います。実際ビールの消費量も日本よりもはるかに多く飲まれています。ですがドイツ人はコーヒーも大好きなでよく飲まれています。
ドイツではその昔、貨幣が流出するくらいコーヒー豆を消費していたのでコーヒー禁止令が政府によって出されたこともありました。 現在日本で最もポピュラーなコーヒー抽出方法であるペーパードリップもドイツで発明されました。
ドイツは世界でNo.3のコーヒー消費大国です。具体的には1人当たりのコーヒー量は年間で7kgほどであり、他のヨーロッパ諸国と比べてもかなり多いです。 ドイツのコーヒー文化は会話の中にも溶け込んでおり、ドイツでは“おやつ”のことを“Kaffeetrinken(コーヒーを飲む)”と言います。

ドイツへのコーヒーの伝播の歴史

コーヒーの伝来はもともと17世紀にオスマントルコがヨーロッパへ侵略してきたときでした。その後、ヨーロッパの植民地支配拡大に合わせてコーヒー豆の栽培は世界中に広がっていきました。
1670年頃にイギリス商人によってドイツに持ち込まれました。イギリス商人がハンブルクにコーヒーハウスを開業したのがきっかけで、1712年にはベルリンにも開業。
18世紀の後半にはコーヒーは一般家庭にも広まりました。この頃に今のドイツのコーヒー文化の基盤が出来上がりました。しかし、当時はヨーロッパの政治的情勢も安定しておらず、多くの戦争が勃発。 コーヒーを多く消費するドイツはコーヒー豆を大量に他国から輸入する必要があり、その結果として多額の貨幣が海外に流出しました。この状況に困惑した当時の王であるフレデリック大王は1777年に「コーヒー禁止令」を発令しました。 コーヒーの消費を抑えるために、コーヒーには重税をかけ、国産ビールの消費を促進しました。医者にはコーヒーの有害性を訴えるように命令し、女性がコーヒーを飲むと体調が悪くなるなどあの手この手でコーヒーの消費を抑えました。
コーヒー豆の焙煎も禁止されていたのですが、貴族や官僚などだけ高額の税金を払うことで焙煎する権利を買うことができました。税金を払わずに焙煎を行ったお店は次々に摘発を受けて閉店してしまいました。 しかし、このようにコーヒーに対する風当たりが強くなった中でも、人々のコーヒーを飲みたいという欲求を抑えることはできませんでした。そのためにコーヒー豆を使わずにコーヒーの味を再現する代用コーヒーが登場しました。

代用コーヒーってなに?

コーヒー豆以外の原料を使って作られたコーヒー風味の飲み物。
コーヒー豆以外の材料はいくつかあり、たんぽぽを使ったたんぽぽコーヒー、大豆を使った大豆コーヒー、チコリ(ヨーロッパ原産のキク科の植物)を使ったチコリコーヒー、どんぐりコーヒーなどバラエティは多いです。 この代用コーヒーはもともと戦争などの理由でコーヒー豆が入手できなくなった時に、なんとか身近にある他の作物でコーヒーを代用できないかと模索してきた中で生まれました。カフェインが含まれていないのがポイントです。中には健康飲料として、コーヒーではなくてこの代用コーヒーをあえて飲んでいる人もいます

ペーパードリップを開発したのは「メリタ(Melitta

現在、コーヒーファンの間では当たり前の存在であるペーパードリップシステム(ろ紙でコーヒー粉をこしてコーヒーを抽出する方式)は、1908年、ドイツの一都市ドレスデンに住むメリタ・ベンツによって考案されました。
当時、家庭でのコーヒー抽出は布や金網によるもので、手間がかかる上に不衛生であったり、粉がカップに入ってしまったりと、「誰でも手軽においしいコーヒー」というわけにはいきませんでした。
「もっと手軽においしいコーヒーをいれて、最愛の夫に飲ませてあげたい。」── 夫を想う深い愛情から、メリタ・ベンツは小さな穴をいくつか開けた真鍮製の容器(後のフィルター)に1枚のろ紙とコーヒー粉をのせ、お湯を注ぐ方法を考え出しました。この方法なら、コーヒー粉がカップに入ることもなく、ゴミ捨ても簡単。しかも余計な雑味をろ紙が吸うので味もおいしくなったのです。これが、世界で最初のペーパー・ドリップシステムの誕生です。

コーヒー禁止令が発令されても代用コーヒーを普及させるほどコーヒーが好きということに驚きました。
次回はドイツのコーヒーブランド等をお伝えしたいと思います

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